主人の時間・気持ち・お金などの犠牲のもとに今の私の幸せがある

彼は職場に出入りしている業者さんで、私の職場の上司を通じて知り合いました。

第一印象は愛想のない、もやしのような人で、とぼとぼとした歩き方に、常にぽかんとした表情だったので、地味な印象が更に強まりました。

絶対に惹かれることのないタイプだと思っていました。

初対面からしばらくは全く気になるところはありませんでした。

ある日私を紹介するために、上司が彼を仕事場に連れてきて、私の仕事ぶりを見学させるという珍事がありました。

それまでお互いにほとんど会話をしたこともなく、忙しいタイミングで伝票をもってくる彼をいつも邪魔者のように扱っていたため、お互いに悪い印象を持っているのはなんとなく感じていました。

無視するわけにもいかず私は初めて彼に愛想笑いをしました。

今まで、愛想のないつまらない人と思っていた彼が、にこっと笑ったその笑顔に少しドキッとしてしまい、それから少しずつ気になる存在になっていきました。

上司と彼と私の３人で食事に行くことになりました。

彼が私に対して特別良い印象を抱いていないことはなんとなく感じていたし、私も気になったとしても、付き合う対象としては微妙だったので、食事のあと２人でどうやって上司に断りを入れるか相談していました。

結局結論がでず、後日上司にお礼としてお酒を買いに行くことになり、また会うことになりました。

久しぶりにデートのようなものをし、帰りの車のなかで、どうやって断るかを考えていたところ、話がどんどんと変わっていき、異性のタイプや将来のことなどの話になりました。

その時、彼が「努力できない人は無理」「自分のことばかり考えて行動する人は無理」と私が常々口にしていることと全く同じことを言ったことにびっくりし、この人は自分と同じ価値観で物事を共有してくれるのではないかと思い、数分前まで、どうやって縁談話を断ろうか考えていたのに、その言葉をきっかけに付き合いたいと私から彼にお願いしました。

私と主人の関係でいうと、お互い付き合う気持ちがないことがわかっていたのにも関わらず、私の気持ちが会話の中で変わっていき、思い切って告白したことにより付き合うことができました。

当時の気持ちを思い返すと、断られるかも・・・という不安な気持ちは全くありませんでしたし、そんなこと関係なしに、この人と付き合いたい、この人を逃したらずっと一人かも。

という気持ちの方が強かったように思います。

告白が成功しなかった時の事を考えると告白することが怖くなってしまいますが、そんなことより、この人が好きだという気持ちで当たって砕けろ精神で臨んだ方が、よっぽど後のしこりは少ないし、砕けたら、また次があると思ってどんどん進んで行った方がいいと思います。